リンコ's ジャーナル

病院薬剤師をしています。日々の臨床疑問について調べたことをこちらで綴っていきます。

尿路結石の排石を促進させる薬剤もろもろ-3(ネタver. ビッグサンダーマウンテンとアレの効果は?)

今回は薬剤ではなく”ネタ”を2つ紹介していきます。”ネタ”ですが、患者側としてはとても興味深い論文です。 まず1つ目は、「ビッグサンダーマウンテンに乗ることで腎結石の排石が促進されるか?」という研究を。2018年のイグノーベル賞を取ったことでも有名な…

尿路結石の排石を促進させる薬剤もろもろ-2(Ca拮抗薬)

今回は尿路結石におけるCa拮抗薬の効果ということで、ニフェジピンとタムスロシンの尿路結石排石への効果に関するメタ解析を見ていきます。 今回紹介する論文の「Introduction」に記載がありましたが、この2剤が選択されているのは、「α受容体遮断薬とCaチャ…

尿路結石の排石を促進させる薬剤もろもろ-1(α遮断薬)

【症例シナリオ】 30代男性。既往歴特になし。 とある日の16時ごろ、急に右腰部への激痛を感じて救急外来を受診。エコー、CT撮影を経て「上部尿路結石」と診断された。結石の大きさは約6mmであった。 翌日からはNSAIDにて疼痛コントロール可能となったが、NS…

COPD治療薬もろもろ-9【COPDとワクチン】

今回はCOPD患者の増悪の予防に重要といわれているインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの効果についてみていきます。 ・インフルエンザワクチン まずはインフルエンザワクチンについての論文を2つ紹介します。 Influenza vaccine for chronic obstructi…

COPD治療薬もろもろ-8【アシストユース】

今回はアシストユースのついての文献を3つご紹介して、その有用性を検討していきます。 ちなみに文献は、 月刊薬事2018年9月号(Vol.60 No.12)|株式会社 じほう の特集記事の引用文献を使用しております。 まずアシストユースとは、 息切れが想定される動…

点眼薬もろもろー1(緑内障患者の点眼滴下に影響を与える因子)

みなさんは患者さんが点眼される様子を見られたことはありますか? 私は何度か見せていただいたことがありますが、衝撃を受けたことが何度も… 先日、緑内障に関するwebセミナーをみていて興味深い論文が紹介されておりましたので、今回はこちらを取り上げま…

7/21(土) 第▢回 居酒屋抄読会ツイキャス配信のご案内【UKPDS33&80】

7/21(土)の20:30頃から、第▢回の居酒屋抄読会を開催し、リアルタイムでツイキャス配信致します。 大阪の梅田の居酒屋よりこちら【zuratomo@AHEADMAP 柴 (@zuratomo4) 's Live - TwitCasting)】のツイキャスから配信予定です。 今回はまず、UKPDS33を読ん…

インスリン分泌促進薬もろもろ-2(レパグリニドによる予後)

グリニド薬についての予後についてのRCTは探しても見つからず… レパグリニド(とSU薬5種類)については、よく取り上げられている大規模なデンマークのコホート試験があったので、そちらを取り上げていきます。 Mortality and cardiovascular risk associated w…

入院患者の血糖コントロールはどのくらいがいいですか?

まずはRCTから。NICE-SUGAR試験というなんとも素敵な試験。この界隈では有名な試験のようで。 Intensive versus conventional glucose control in critically ill patients. (重症患者における強化血糖コントロールと標準血糖コントロールの比較) N Engl J M…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろ-3【社会的つながりと死亡リスクとの関連】

今回は、こちらの記事の中で出てきた論文を読んでみました。toyokeizai.net Social relationships and mortality risk: a meta-analytic review. (社会的つながりと死亡リスク) PLoS Med. 2010 Jul 27;7(7):e1000316. PMID: 20668659 P:148研究、308,849人(…

ワルファリンもろもろ-1【PT-INRの検査間隔の延ばしても良いですか?】

医師から、「施設や往診の患者さんって頻回に採血ができないからWFをDOACに変えようと思うんですけどどう思いますか?」と聞かれまして。いやいやそれは短絡的過ぎるでしょ…と思いながら、文献を探してみようと。とはいうものの、上手く探せなかったので、こ…

CDI治療もろもろ-5【整腸剤によるCDI発症予防効果】

Clostridioides(Clostridium) difficile 感染症予防に整腸剤は効果があるのか?ということで、3つの文献をピックアップしました。 まずは昨年アップデートされたコクランより。アブストラクトのみしか読めていませんので… Probiotics for the prevention of …

4/7(土) 第△回 居酒屋抄読会ツイキャス配信のご案内と開催報告【尿酸値と薬とネットワークメタ解析】

4/7(土)の21:00頃から、第△回の居酒屋抄読会を開催し、リアルタイムでツイキャス配信致します。 今回は、大阪の梅田の居酒屋よりこちら【zuratomo@AHEADMAP 柴 (@zuratomo4) 's Live - TwitCasting)】のツイキャスから配信予定です。 以下、仮想症例シナ…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろ-2【社会参加によって要介護状態への移行を予防できますか?the AGES Cohort Studyより】

// 前回に引き続き、AGESプロジェクトに関しての論文を。(タイトルは何故かJAGESになっていますが、内容はAGESプロジェクトのものです。) Social participation and the prevention of functional disability in older Japanese: the JAGES cohort study. (…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろ-1【スポーツ組織への所属で要介護状態への移行は予防できますか?the AGES Cohort Studyより】

// ソーシャルキャピタルについての講演会でAGESプロジェクトの存在を知りまして。興味のある分野だったので、一度文献を読んでみました。 AGESプロジェクトの詳細はこちらから→ http://square.umin.ac.jp/ages/ages.html 現在は、JAGESプロジェクトへと発展…

ピオグリタゾンもろもろ-3【膀胱癌リスク】

// 膀胱癌のリスクについてはあまり調べたことがなくて。ある程度結果が出ていると思っていたら、最近もちょくちょく報告があるようで。 どれを読めばいいのか分からなかったので、まずは2016年末に出たFDAのレビューで取り上げられている文献を。 「NIHS 医…

ピオグリタゾンもろもろ-2【心血管イベントと死亡への影響】

// 最近話題のピオグリタゾンの心血管イベントや死亡への影響に関する文献を。 まずはRCTのメタ解析から。 Pioglitazone and cardiovascular outcomes in patients with insulin resistance, pre-diabetes and type 2 diabetes: a systematic review and met…

ピオグリタゾンもろもろ-1【PROactive、骨折リスク、NASH】

// ピオグリタゾンのことを色々とみていきます。 まずは、悪名高き(?)PROactive試験から。 Secondary prevention of macrovascular events in patients with type 2 diabetes in the PROactiveStudy (PROspective pioglitAzone Clinical Trial In macroVasc…

費用効果分析もろもろ-1(ワルファリン、ダビガトランの併用によるAFのカテーテルアブレーション)

// 先日、費用対効果の論文の読み方に関するワークショップに参加しまして。その時のお題論文についてまとめてみました。 初めてなのであまりきれいにまとめられていませんが、これから慣れていければと。 批判的吟味の方法は、ワークショップで用いたものを…

ポリファーマシーもろもろ-6【ポリファーマシーとフレイル・サルコペニアの関連】

// 今回は、ポリファーマシーとフレイル・サルコペニアとの関連についての論文を。3つの論文を取り上げますが、うち2つは先日の居酒屋抄読会で取り上げたものです。 まずはポリファーマシーとフレイルの関連についての論文を2つ。 Is Polypharmacy Associate…

1/27(土) 第〇回 居酒屋抄読会ツイキャス配信のご案内

// 1/27(土)の20時頃から梅田にて居酒屋抄読会を開催します。そしていつものように、その様子をリアルタイムでこちらのツイキャスにて配信いたします。(もう何回目か分からなくなってしまいました(汗)) 今回は欲張って2つの論文を読んでいこうと思います。い…

睡眠薬のリスクもろもろ-5(ベンゾジアゼピン系薬と肺炎)

// 文献を3つピックアップしました。 The Risk of Pneumonia in Older Adults Using Nonbenzodiazepine Hypnotics. (非ベンゾジアゼピン(BZ)系催眠薬の使用における高齢者の肺炎リスク) J Manag Care Spec Pharm. 2016 Aug;22(8):932-8. PMID:27459656 P:総…

認知症のBPSDの治療薬もろもろ-8【抗精神病薬の高血糖リスク】

// 文献を3つ紹介していきます。 まずは、糖尿病患者に対する抗精神病薬の高血糖リスクに関して。フリーで全文読めます。 Antipsychotic drugs and hyperglycemia in older patients with diabetes. (糖尿病高齢者における抗精神病薬と高血糖) Arch Intern M…

睡眠薬のリスクもろもろ-4(ベンゾジアゼピン系薬と骨折)

// 今回はベンゾジアゼピン系薬の骨折リスクについて。 私の独断と偏見と拙い批判的吟味にて3つピックアップしています。 まずは、全文読めませんがメタ解析を。 Association between use of benzodiazepines and risk of fractures: a meta-analysis. (ベン…

睡眠薬のリスクもろもろ-3(Z-drugと転倒・骨折)

// 前々回はエスゾピクロン、前回はゾルピデムのリスクをみていきましたが、今回はZ-drug全般についてみていきます。 ピックアップした文献は3つ。 まずは、全文は読めませんが最新のメタ解析を。 Z-drugs and risk for falls and fractures in older adults…

睡眠薬のリスクもろもろ-2(ゾルピデムと転倒・骨折)

// 前回はエスゾピクロンに的を絞りましたが、今回はゾルピデムのリスクをみていきたいと思います。世界的に使用量が多いのか、単独でのリスクが多く検討されているようです。 まずは転倒リスクから。 Zolpidem is independently associated with increased …

睡眠薬のリスクもろもろ-1(エスゾピクロンと転倒・骨折)

// ベンゾジアゼピン系薬と転倒・骨折との関連についてはよく知られているところですが、何やらエスゾピクロンは他剤に比べて転倒率が低いということを聞きまして、ちょっと調べてみました。 まずは理論的なところから。特にGABAA受容体のサブユニットとのの…

CDI治療もろもろ-4【酸分泌抑制薬のCDI再発リスク】

// 前回は酸分泌抑制薬とCDI(クロストリジウムディフィシル感染症)の発症(初発+再発)のリスクについてみていきましたが、今回はCDI再発に限定した酸分泌抑制薬のリスクについての文献を2報みていきたいと思います。 まずは今年報告されたメタ解析から。アブ…

CDI治療もろもろ-3【酸分泌抑制薬のCDI発症リスク】

// 今回は治療のことではありませんで。酸分泌抑制薬とCDI(クロストリジウムディフィシル感染症)との関連は比較的有名なことかと思いますが、実際にどのくらいのリスク因子なのでしょうか、ということで文献をまとめておきます。まずはPPIのCDIリスクに関す…

CDI治療もろもろ-2【フィダキソマイシンとベゾロトクスマブ】

// これまでCDI(クロストリジウムディフィシル感染症)の治療薬は基本的にMNZとVCMのみでしたが、今後フィダキソマイシンとベゾロトクスマブが発売されるようです。てことで、先取りで有効性等をみていきたいと思います。現行の治療薬にてどうしても再発する…