リンコ's ジャーナル

病院薬剤師をしています。日々の臨床疑問について調べたことをこちらで綴っていきます。

SSRIの出血リスクもろもろ-3(NSAID、抗血小板薬、抗凝固薬との併用)

前回(SSRIと出血リスクもろもろ-2(観察研究) - リンコ's ジャーナル)、前々回(SSRIと出血リスクもろもろ-1(メタ解析) - リンコ's ジャーナル)はSSRI単独による出血リスクに関する論文を紹介しましたが、今回はSSRIと出血リスクのある薬剤との併用による出血…

SSRIと出血リスクもろもろ-2(観察研究)

今回はSSRIと出血リスクについて、個別の観察研究にてそれぞれの出血リスクの程度を考えたいと思います。 まずは消化管出血について Use of SSRI, But Not SNRI, Increased Upper and Lower Gastrointestinal Bleeding: A Nationwide Population-Based Cohor…

SSRIと出血リスクもろもろ-1(メタ解析)

セロトニンの血小板凝集抑制作用については、日本血栓止血学会のホームページの用語集に以下のように記載されております。 セロトニン受容体は、神経伝達物質セロトニンにより活性化される受容体であり、神経伝達物質やホルモン放出の調節や、神経伝達の活性…

インスリンデグルデクの週3回投与ってどうですか?

認知症等の理由でインスリンの自己注が難しい方が時々おられます。家族の協力があれば継続は可能ですが、それが難しいこともあります。 デグルデクは42時間以上の効果持続が示唆されているので週3回投与とか可能なのかな…と思って調べたところ、いくつか文献…

便秘薬もろもろ‐3(5-HT4アゴニスト)

今回は5-HT4アゴニストの便秘への効果について取り上げます。 「慢性便秘症診療ガイドライン2017」を参考に、文献を2つ取り上げます。 Systematic review with meta-analysis: highly selective 5-HT4 agonists (prucalopride, velusetrag or naronapride) i…

血液透析患者におけるピロリ除菌

「日本ヘリコバクター学会 H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A 」には以下のような記載がなされております。 Q11:高度腎機能障害や透析患者に対する除菌治療はどうすると良いですか? A11:高度腎機能障害の場合には薬物の用量を減じる…

便秘薬もろもろ‐2(整腸剤)

今回は整腸剤の便秘への効果について取り上げます。 「慢性便秘症診療ガイドライン2017」を参考に、文献を2つ取り上げます。 (整腸剤の項のガイドラインで取り上げられていたメタ解析はやや古く、それがアップデートされたような論文を選んでおります。) ま…

便秘薬もろもろ‐1(新規便秘薬の臨床試験まとめ)

新規便秘治療薬5種類の慢性便秘症における国内第2相、第3相試験のアウトカムの共通項を表にまとめました。(転記ミスしてたらすみません。) それぞれの薬剤のインタビューフォーム、審査報告書、原著論文を参考にしております。 【用語の整理】 ※SBM:排便の…

外来経口抗菌薬への介入と介入中止後の処方動向

抗菌薬への介入っていつまで続けていいのやら…と思い。 外来抗菌薬への介入と介入中止後の処方動向に関する論文を2つ紹介します。 いずれの研究も介入後の変化と介入中止後の変化がそれぞれ論文となっております。 まずは一つ目 〇介入後の変化 Effect of Be…

【CQ】血培で検出されたときにコンタミが疑わしい菌には何がありますか?

血液培養から菌が検出されたときに真の血流感染なのか、コンタミなのか迷うことがよくあります。それを判断するには様々な基準がありますが、菌の種類によってもある程度推定できるようです。 ちなみに「血液培養ガイド」による汚染率の定義は、 ①(コンタミ…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろー6(笑うことは健康につながりますか?その2「山形study」)

笑いと健康についての第2弾です。山形studyを紹介します。 第1弾はコチラ↓ では論文の紹介を。 Associations of frequency of laughter with risk of all-cause mortality and cardiovascular disease incidence in a general population: findings from the…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろ‐5(近隣に飲食店があった方がいいですか?)

JAGES プロジェクトより、飲食店と家との距離に関した論文がいくつか発表されていますので、それを紹介していきます。 まずは死亡リスクについて プレスリリースはこちら では、論文を Neighborhood food environment and mortality among older Japanese ad…

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐3(子供の屋外活動)

ゲームのやりすぎは視力が下がるとか、緑を見た方が視力にはいい、なんて子供のころよく言われましたが、果てさて。 てことで、今回は子供の屋外活動と近視の発症・進行との関連を検討した研究を2つ紹介します。どちらもアブストラクトのみしか読めなかった…

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐2(アトロピン点眼の有効性と安全性)

今回はアトロピン点眼の有効性と安全性についての論文を紹介します。 Efficacy and Adverse Effects of Atropine in Childhood Myopia: A Meta-analysis. (子供の近視へのアトロピンの有効性と有害事象:メタ解析) JAMA Ophthalmol. 2017 Jun 1;135(6):624-6…

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐1(種々の介入のメタ解析)

小児の近視進行抑制への介入について調べてみました。 まず初めに様々な介入の効果について調べました。2つ論文を紹介します。 では、今年出たメタ解析から。 Efficacy and safety of interventions to control myopia progression in children: an overview…

サルコペニアを改善するかもしれない薬剤もろもろ-3(スタチン)

今回はサルコペニア診療ガイドラインに記載のあるものの中からスタチンについての論文を読んでいきます。 Association between statin medication use and improved outcomes during inpatient rehabilitation in older people. (高齢患者の入院リハビリ間の…

サルコペニアを改善するかもしれない薬剤もろもろ-2(SARM、SSRI)

今回はサルコペニア診療ガイドラインに記載のあるものの中からSARM、SSRIについての論文を読んでいきます。 まずはSARMについて。 Effects of enobosarm on muscle wasting and physical function in patients with cancer: a double-blind, randomised cont…

サルコペニアを改善するかもしれない薬剤もろもろー1(アロプリノール、ACEI)

サルコペニア診療ガイドライン2017年度版には、薬剤に関して以下のような記載があります。 そこで、いくつか論文を検索してみました。 本題に入る前に、総説(?)のようなものがあったので紹介しておきます。 The Effects of Medication on Activity and Reha…

血圧の有名論文もろもろー6(「COPE」「OSCAR」「SPRINT」)

今回は「COPE」「OSCAR」「SPRINT」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「COPE」試験。 Prevention of cardiovascular events with calcium channel blocker-based combination therapies in patients with hypertension: a randomized controlled trial…

血圧の有名論文もろもろー5(「ACCOMPLISH」「HYVET」「HIJ-CREATE」)

今回は「ACCOMPLISH」「HYVET」「HIJ-CREATE」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「ACCOMPLISH」試験から。 Benazepril plus amlodipine or hydrochlorothiazide for hypertension in high-risk patients. N Engl J Med. 2008 Dec 4;359(23):2417-28. P…

血圧の有名論文もろもろー4(「ADVANCE」「CASE-J」「ONTARGET」)

さて、今回は「ADVANCE」「CASE-J」「ONTARGET」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「ADVANCE」試験。 Effects of a fixed combination of perindopril and indapamide on macrovascular and microvascular outcomes in patients with type 2 diabetes …

高血圧の有名論文もろもろー3(「JMIC-B」「VARUE」「ASCOT-BPLA」)

さて今回は、「JMIC-B」「VARUE」「ASCOT-BPLA」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「JMIC-B」試験。 Comparison of nifedipine retard with angiotensin converting enzyme inhibitors in Japanese hypertensive patients with coronary artery diseas…

高血圧の有名論文もろもろー2(「ALLHAT」「EUROPA」「CAMELOT」)

今回は、「ALLHAT」「EUROPA」「CAMELOT」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「ALLHAT」試験から。 Major outcomes in high-risk hypertensive patients randomized to angiotensin-converting enzyme inhibitor or calcium channel blocker vs diureti…

高血圧の有名論文もろもろー1(「SHEP」「INSIGHT」「PROGURESS」)

前回紹介した論文18件を、これから3つずつ年代順に紹介していきます。 まず今回は「SHEP」「INSIGHT」「PROGURESS」を取り上げます。 一つ目は「SHEP」試験。 Prevention of stroke by antihypertensive drug treatment in older persons with isolated syst…

高血圧の有名論文もろもろ(まとめver)

有名な高血圧に関するRCTを簡単にまとめました。 全ての論文が全文をフリーで読めた訳ではなかったので、「循環器トライアルデータベース」の情報も参考にしてあります。 2群間比較 名称 (リンクは循環器トライアルデータベース) SHEP INSIGHT PROGURESS cit…

ワルファリン・DOACもろもろ-3【DOACとベラパミルの併用を考える】

ある日医師より問い合わせがありました。 「Aさんは○○(DOACの1種)を飲んでるんだけど、ベラパミルを開始したくて。正直どのDOACでもいいんだけど、DOACとベラパミルは相互作用があるってよく聞くから。影響が少なそうなのを教えてくれないかな?この間鼻出血…

尿路結石もろもろ-4(多めの水分摂取や薬物治療で再発リスクを低減できますか?)

今回は結石の予防についての論文を紹介します。 まずは水分摂取についてのメタ解析を。 Treatment effect, adherence, and safety of high fluid intake for the prevention of incident and recurrent kidney stones: a systematic review and meta-analysi…

ワルファリン・DOACもろもろ-2【ワーファリンやDOACへのPPIの併用意義】

今回はワーファリンやDOACへのPPIの併用意義について2つの論文を紹介したいと思います。 まずは一つ目。 Association of Oral Anticoagulants and Proton Pump Inhibitor Cotherapy With Hospitalization for Upper Gastrointestinal Tract Bleeding. (上部…

12/15(土) 居酒屋抄読会in難波 ツイキャス配信のご案内と開催報告【EPA関連】

12/15の19:00頃から居酒屋抄読会を開催し、リアルタイムでツイキャス配信致します。(注:いつもより早い時間です!) 大阪の難波の居酒屋よりこちら【zuratomo@AHEADMAP 柴 (@zuratomo4) 's Live - TwitCasting)】のツイキャスから配信予定です。 今回は、…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろー4(笑うことは健康につながりますか?)

今回は、「笑い」と健康に関する論文の紹介を2つ紹介します。 Laughter and Subjective Health Among Community-Dwelling Older People in Japan: Cross-Sectional Analysis of the Japan Gerontological Evaluation Study Cohort Data. (日本の高齢地域住民…