リンコ's ジャーナル

病院薬剤師をしています。日々の臨床疑問について調べたことをこちらで綴っていきます。

【CQ】帯状疱疹ワクチンの効果はどの程度ですか?

先日、日本環境感染学会から医療関係者のためのワクチンガイドライン 第3版が発行されました。 いくつかの改訂ポイントがありましたが、その中の一つとして「帯状疱疹ワクチン」が追加となりました。 現在本邦で承認されている帯状疱疹ワクチンは以下の2種類…

【CQ】NSAIDの心不全リスクはどの程度ですか?

NSAIDによる塩分・体液貯留→心不全のリスクはよく言われるところであり、 「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」においてNSAIDは心不全の増悪因子として以下のように記載されております。 さて、そのリスクはどの程度か?ということに疑問を…

薬と認知症の関連もろもろ-5【PPI】

今回は認知症と【PPI】との関連についての論文を。 PPIに関しては、観察研究のメタ解析がいくつも報告されておりますが、認知症との関連が示唆された論文とそうでない論文がありますので、それぞれを紹介します。 それでは1つ目。こちらは認知症との関連が示…

薬と認知症の関連もろもろ-4【アスピリン&NSAID】

今回は【アスピリン】と【NSAID】についての論文を。 抗炎症作用による認知症予防効果が期待されていたようですが果たして… まずは最新のコクランレビューを。 Aspirin and Other Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs for the Prevention of Dementia (認…

薬と認知症の関連もろもろ-3【降圧剤】【スタチン】

今回は【降圧剤】【スタチン】の認知症への影響についての論文を紹介していきます。 それぞれでRCTのメタ解析と観察研究のメタ解析を紹介します。 まずは【降圧剤】の観察研究のメタ解析から。 Association of Blood Pressure Lowering With Incident Dement…

薬と認知症の関連もろもろ-2【抗コリン薬】

今回は【抗コリン薬】と認知症の関連についての症例対象研究の論文を紹介していきます。 まずは1つ目。 Anticholinergic Drugs and Risk of Dementia: Case-Control Study 【抗コリン薬と認知症リスク】 BMJ . 2019 Oct 31;367:l6213. PMID: 31672847 【PECO…

薬と認知症の関連もろもろ-1【ベンゾジアゼピン系薬】

薬剤の服用と認知症発症との関連についての論文について、何回かに分けて書いていきます。 今回は【ベンゾジアゼピン系薬】との関連について。 まず、観察研究のメタ解析を。 Risk of Dementia in Long-Term Benzodiazepine Users: Evidence From a Meta-Ana…

【CQ】腎障害患者へのSGLT-2阻害薬投与は血糖コントロールを改善しますか?

腎機能障害のある患者へのSGLT-2阻害薬は、その作用機序から血糖降下作用が不十分と言われております。が、時々そのような患者への処方を見かけます。 さて、効果はあるのでしょうか… 今回は、それぞれの薬剤の腎障害患者を対象とした臨床試験の論文を読んで…

SSRIの出血リスクもろもろ-3(NSAID、抗血小板薬、抗凝固薬との併用)

前回(SSRIと出血リスクもろもろ-2(観察研究) - リンコ's ジャーナル)、前々回(SSRIと出血リスクもろもろ-1(メタ解析) - リンコ's ジャーナル)はSSRI単独による出血リスクに関する論文を紹介しましたが、今回はSSRIと出血リスクのある薬剤との併用による出血…

SSRIと出血リスクもろもろ-2(観察研究)

今回はSSRIと出血リスクについて、個別の観察研究にてそれぞれの出血リスクの程度を考えたいと思います。 まずは消化管出血について Use of SSRI, But Not SNRI, Increased Upper and Lower Gastrointestinal Bleeding: A Nationwide Population-Based Cohor…

SSRIと出血リスクもろもろ-1(メタ解析)

セロトニンの血小板凝集抑制作用については、日本血栓止血学会のホームページの用語集に以下のように記載されております。 セロトニン受容体は、神経伝達物質セロトニンにより活性化される受容体であり、神経伝達物質やホルモン放出の調節や、神経伝達の活性…

インスリンデグルデクの週3回投与ってどうですか?

認知症等の理由でインスリンの自己注が難しい方が時々おられます。家族の協力があれば継続は可能ですが、それが難しいこともあります。 デグルデクは42時間以上の効果持続が示唆されているので週3回投与とか可能なのかな…と思って調べたところ、いくつか文献…

便秘薬もろもろ‐3(5-HT4アゴニスト)

今回は5-HT4アゴニストの便秘への効果について取り上げます。 「慢性便秘症診療ガイドライン2017」を参考に、文献を2つ取り上げます。 Systematic review with meta-analysis: highly selective 5-HT4 agonists (prucalopride, velusetrag or naronapride) i…

血液透析患者におけるピロリ除菌

「日本ヘリコバクター学会 H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A 」には以下のような記載がなされております。 Q11:高度腎機能障害や透析患者に対する除菌治療はどうすると良いですか? A11:高度腎機能障害の場合には薬物の用量を減じる…

便秘薬もろもろ‐2(整腸剤)

今回は整腸剤の便秘への効果について取り上げます。 「慢性便秘症診療ガイドライン2017」を参考に、文献を2つ取り上げます。 (整腸剤の項のガイドラインで取り上げられていたメタ解析はやや古く、それがアップデートされたような論文を選んでおります。) ま…

便秘薬もろもろ‐1(新規便秘薬の臨床試験まとめ)

新規便秘治療薬5種類の慢性便秘症における国内第2相、第3相試験のアウトカムの共通項を表にまとめました。(転記ミスしてたらすみません。) それぞれの薬剤のインタビューフォーム、審査報告書、原著論文を参考にしております。 【用語の整理】 ※SBM:排便の…

外来経口抗菌薬への介入と介入中止後の処方動向

抗菌薬への介入っていつまで続けていいのやら…と思い。 外来抗菌薬への介入と介入中止後の処方動向に関する論文を2つ紹介します。 いずれの研究も介入後の変化と介入中止後の変化がそれぞれ論文となっております。 まずは一つ目 〇介入後の変化 Effect of Be…

【CQ】血培で検出されたときにコンタミが疑わしい菌には何がありますか?

血液培養から菌が検出されたときに真の血流感染なのか、コンタミなのか迷うことがよくあります。それを判断するには様々な基準がありますが、菌の種類によってもある程度推定できるようです。 ちなみに「血液培養ガイド」による汚染率の定義は、 ①(コンタミ…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろー6(笑うことは健康につながりますか?その2「山形study」)

笑いと健康についての第2弾です。山形studyを紹介します。 第1弾はコチラ↓ では論文の紹介を。 Associations of frequency of laughter with risk of all-cause mortality and cardiovascular disease incidence in a general population: findings from the…

ソーシャルキャピタルと健康もろもろ‐5(近隣に飲食店があった方がいいですか?)

JAGES プロジェクトより、飲食店と家との距離に関した論文がいくつか発表されていますので、それを紹介していきます。 まずは死亡リスクについて プレスリリースはこちら では、論文を Neighborhood food environment and mortality among older Japanese ad…

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐3(子供の屋外活動)

ゲームのやりすぎは視力が下がるとか、緑を見た方が視力にはいい、なんて子供のころよく言われましたが、果てさて。 てことで、今回は子供の屋外活動と近視の発症・進行との関連を検討した研究を2つ紹介します。どちらもアブストラクトのみしか読めなかった…

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐2(アトロピン点眼の有効性と安全性)

今回はアトロピン点眼の有効性と安全性についての論文を紹介します。 Efficacy and Adverse Effects of Atropine in Childhood Myopia: A Meta-analysis. (子供の近視へのアトロピンの有効性と有害事象:メタ解析) JAMA Ophthalmol. 2017 Jun 1;135(6):624-6…

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐1(種々の介入のメタ解析)

小児の近視進行抑制への介入について調べてみました。 まず初めに様々な介入の効果について調べました。2つ論文を紹介します。 では、今年出たメタ解析から。 Efficacy and safety of interventions to control myopia progression in children: an overview…

サルコペニアを改善するかもしれない薬剤もろもろ-3(スタチン)

今回はサルコペニア診療ガイドラインに記載のあるものの中からスタチンについての論文を読んでいきます。 Association between statin medication use and improved outcomes during inpatient rehabilitation in older people. (高齢患者の入院リハビリ間の…

サルコペニアを改善するかもしれない薬剤もろもろ-2(SARM、SSRI)

今回はサルコペニア診療ガイドラインに記載のあるものの中からSARM、SSRIについての論文を読んでいきます。 まずはSARMについて。 Effects of enobosarm on muscle wasting and physical function in patients with cancer: a double-blind, randomised cont…

サルコペニアを改善するかもしれない薬剤もろもろー1(アロプリノール、ACEI)

サルコペニア診療ガイドライン2017年度版には、薬剤に関して以下のような記載があります。 そこで、いくつか論文を検索してみました。 本題に入る前に、総説(?)のようなものがあったので紹介しておきます。 The Effects of Medication on Activity and Reha…

血圧の有名論文もろもろー6(「COPE」「OSCAR」「SPRINT」)

今回は「COPE」「OSCAR」「SPRINT」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「COPE」試験。 Prevention of cardiovascular events with calcium channel blocker-based combination therapies in patients with hypertension: a randomized controlled trial…

血圧の有名論文もろもろー5(「ACCOMPLISH」「HYVET」「HIJ-CREATE」)

今回は「ACCOMPLISH」「HYVET」「HIJ-CREATE」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「ACCOMPLISH」試験から。 Benazepril plus amlodipine or hydrochlorothiazide for hypertension in high-risk patients. N Engl J Med. 2008 Dec 4;359(23):2417-28. P…

血圧の有名論文もろもろー4(「ADVANCE」「CASE-J」「ONTARGET」)

さて、今回は「ADVANCE」「CASE-J」「ONTARGET」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「ADVANCE」試験。 Effects of a fixed combination of perindopril and indapamide on macrovascular and microvascular outcomes in patients with type 2 diabetes …

高血圧の有名論文もろもろー3(「JMIC-B」「VARUE」「ASCOT-BPLA」)

さて今回は、「JMIC-B」「VARUE」「ASCOT-BPLA」の3つの論文を紹介していきます。 まずは「JMIC-B」試験。 Comparison of nifedipine retard with angiotensin converting enzyme inhibitors in Japanese hypertensive patients with coronary artery diseas…