新規便秘治療薬5種類の慢性便秘症における国内第2相、第3相試験のアウトカムの共通項を表にまとめました。(転記ミスしてたらすみません。)
それぞれの薬剤のインタビューフォーム、審査報告書、原著論文を参考にしております。
【用語の整理】
※SBM:排便の当日又は前日に下剤、座薬、浣腸又は摘便の処置がない排便
※CSBM:SBM のうち残便感がない排便
※ブリストル便形状スケール:便形状を評価するための世界的な基準。1型、2型が硬便、3型、4型、5型が通常便、6型と7型が軟便
【主な患者の選択基準(共通部分のみ)】
・6か月以上前からSBMが3回未満
・6か月以上前から以下の症状が1つ以上がある
- 排便の25%以上にいきみがある。
- 排便の25%以上に兎糞状便又は硬便(ブリストルスケール1or2)がある。
- 排便の25%以上に残便感がある。
※IBS患者は除外されていたり、含まれていたりバラバラ
【対象年齢】
20~75歳が対象の試験が多く、15歳以上や80歳未満が対象の試験もあり。どの試験も平均年齢は40歳前後
【第2相試験まとめ】(モビコール®は国内第2相なし)
【第3相試験まとめ】 (ラグノス®は実薬群のみのシングルアーム)
※レスポンダー率
アミティーザ:≧4SBM/週
リンゼス、グーフィス、モビコール:SBM頻度の週平均値が3回以上であり、かつ排便習慣観察期のSBMまたはCSBM頻度の週平均値から1回以上増加
【長期投与試験】(ラグノスは長期投与試験なし)
※モビコールの平均服用包数:19.7~24.3包/週
【全体を通して】
種々の試験の条件が違うので直接薬剤間での効果を比較することはできませんが、それぞれの特徴を捉えられた気がします。
・アミティーザ、グーフィスは有害事象が多いのが気になる。
・アミティーザ、ラグノス、モビコールは用量依存的に効果が増強しそう。グーフィスは10mgで効果が上限?リンゼスはかなり低用量でも効果が得られそう(海外の用量は0.29mgですからね、、、)。
・アミティーザ、ラグノスの有害事象は用量依存的か。
・モビコールは初回SBMまで時間がかかるかもしれない。(プラセボと差がない)
・第3相試験はフリーで読めるようにしてほしい。。。
【各薬剤の臨床試験の原著論文】
第3相試験【フリー】;日本人の慢性便秘症患者に対する結晶ラクツロース製剤(SK-1202) 用量調節時の有効性および安全性の検討 ―オープン試験―;日本大腸肛門病会誌 72:153-164,2019