リンコ's ジャーナル

病院薬剤師をしています。日々の臨床疑問について調べたことをこちらで綴っていきます。

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

糖尿病の有名文献もろもろ-2【UKPDS33,34,35,80】

// 今回は、かの有名なUKDPSを読んでいく。恥ずかしながら、薬剤師10年目にして初めて読むという… UKPDSの中でも今回は、糖尿病に関連していて、内容に興味を持った33,34,35,80を読んだ。 Intensive blood-glucose control with sulphonylureas or insulin c…

日本における2型糖尿病患者の低血糖による救急受診や入院もろもろ-1

// 今回は少し趣向を変えて。 低血糖による救急受診に関する報告を3報読み、考察をした。まだ他にも報告はあったが、少し古かったため今回はこの3報をピックアップした。 ① 糖尿病治療薬による重症低血糖を発症した2 型糖尿病患者135 人の解析(糖尿病55(11…

糖尿病の有名文献もろもろ-1【VADT、ACCORD、ADVANCE】

// 糖尿病の勉強の手始めに、VADT、ADVANCE、ACCORDの3つの糖尿病の標準療法と強化療法の比較について検討された有名文献を読んでみた。 Glucose control and vascular complications in veterans with type 2 diabetes. 【VADT試験】 N Engl J Med. 2009 Ja…

ポリファーマシーもろもろ-5【これまでのまとめと今考えていること】

【これまでのまとめと今考えていること】 4回に分けてポリファーマシー(私としては、ポリファーマシー=「潜在的に不適切な薬剤の処方を含む可能性のある処方」と解釈している)に関する文献をみてきたが、大変悩ましい問題のように感じた。今回紹介してきた…

ポリファーマシーもろもろ-4【MRCIについて】

今回は、投与レジメンの複雑性を定量化するツールであるMRCI(Medication regimen complexity Index)についてと、それを使った研究についてみていきたいと思う。まずMRCIについてであるが、合計65項目からなり、セクションA:剤型、セクションB:投与頻度、セ…

ポリファーマシーもろもろ-3

これから2回はポリファーマシーに関する指標について取り上げていきたいと思う。まず今回は、転倒を増加させる可能性のある薬剤であるFRIDs(fall risk-increasing drugs)について、次回は、投与レジメンの複雑性を定量化するツールであるMRCI(Medication reg…

ポリファーマシーもろもろ-2

前回は、【ポリファーマシーと有害アウトカム】、【ポリファーマシーによる種々の影響】、【処方カスケード】について書いていきましたので、今回はその続きを。ただ、解析手法等々があまり理解できず断念した文献もあるので、文献が偏っている可能性が。。…

ポリファーマシーもろもろ-1

2016年は、何かポリファーマシーの正体を捉えるのに必死になっていました。様々な研究結果を学ぶことで、少しずつ分かってきた気がします。研究が次々に発表されてきておりますので、ここで一度、計4回に分けてまとめていきたいと思います。 【ポリファーマ…

インスリン分泌促進薬もろもろ-1(SU剤まとめ)

私の勤める病院では、年に数例の低血糖による入院を経験する。そして、その多くでSU剤を内服している。先日も同様の入院が…。2013-2014年のアメリカの外来患者の薬剤有害事象(ADE)による救急部門受診についての報告では、1年に1000人当たり4.0人(95% CI, 3.1…